空港セキュリティ 2020 1 5

 とんでもない正月になってしまった。
私は、勝手に、こう思っていたのです。
 故郷の両親に会って、
ごちそうを食べながら、昼間から酒を飲む。
アルコールが回って、暖かい縁側で昼寝をする。
 しかし、宴は始まらなかった。
両親から「日本の出国管理は、どうなっているのか」と聞かれて、
一気に正月気分は消え、とうてい飲酒の雰囲気はなかった。
 それにしても、「空港のセキュリティは、どうなっているのか」と聞かれて、
「どうやら今日は酒を飲めないかもしれない」と、まだ正月の飲酒にこだわる私と、
空港セキュリティを心配する両親が対照的でした。
やはり、両親からすると「非常事態」で、私は、のんびり酒を飲んでいる場合ではないか。
 さて、2020年1月5日の東洋経済ONLINEでは、このような記事がありました。
「フランス・ジャポン・エコー」編集長のレジス・アルノー氏の記事です。
 頻繁にプライベートジェットを利用していたゴーン氏は、
世界的な傾向としてプライベートジェット・ゲートでの荷物検査は、
実は非常に手薄であることを知っていたのだろう。
 「空港の荷物検査は、武器や爆発装置を検知するために実施されている。
プライベートジェットの場合、顧客が自らを噴き飛ばしたいはずはないから、
彼らの荷物は、ほとんど検査されない。まったく確認しない場合もある」と、
空港運営に関わる企業のある役員は打ち明ける。
そこで、ゴーンは荷物となってプライベートジェットに乗り込むリスクを選択したわけだ。
 出入国審査官が、楽器ケースのように見えたものを適切に検査せず、
あるいは、いっさい確認せずに機内に載せてしまった可能性が非常に高いのは、そのためである。
 ゴーン氏の身長は約170pなので、全長2m程度の箱が必要だ。
そのような巨大な箱は、通常のX線検査装置には通せないため、
口頭でのやり取りだけで通過できた可能性がある。
(引用、以上)

ギャルソン 2016 7 16
 フランスのニースであったテロは、
痛ましい事件であると同時に、
テロが新しい局面に入ってしまったかもしれません。
 従来のテロというと、
爆弾や銃器を用意して大規模なテロを狙うものでしたが、
たとえば、駅前でレンタカーを借りて、
群衆の中に突入するという「交通事故テロ」では、
どうやっても防ぐことはできません。
 このようなテロは、
いくら警備を強化しても防ぐことはできないでしょう。
 テロ対策としては、即効性はありませんが、
寛容な社会を築いていくことが重要です。
 あれは、数十年前のことです。
あの当時は、「フランス人は観光客に冷たい」と言われていました。
 そこで、私はフランスに行く前に、
ガイドブックを熟読しました。
妻はフランス語を勉強したことがあるので、
初めて行くフランスでも、「なんとかなるだろう」とも思いました。
 夕方、パリのホテル近くのレストランで食事をしました。
私は、フランスのチーズが好きで、
その後、やはり好物のエスカルゴと、
思いつくままに、勝手気ままに注文をしました。
 そういう勝手気ままの注文に対して、
男性給仕(ギャルソン)は、終始、丁寧かつ精密に対応してくれました。
 最初は、若いギャルソンが対応してくれましたが、
すぐにベテランに代わりました。
 私たちが食事を終えて帰るときには、
ベテランのギャルソンが笑顔で握手を求めてきました。
 私は、その時、「フランスは寛容の国だ」と思いました。
フランスから見れば、極東の日本からやってきた、
若者に対しても、寛容で寛大な精神で対応してくれたことに感謝しました。
 あれから、数十年経ちました。
フランスは変わってしまったのか。


































































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